入管法改正で何が変わるの?日本企業が直面する深刻な人手不足

2018年12月08日(土)

日本では少子高齢化や人口減少が進み、労働者の人材不足は深刻化の一途をたどっています。

また、人手不足による人件費や物流費の高騰は、企業にとって大きな経営課題。人手不足による倒産も相次ぐほど。こうした人手不足の状況は「日本経済の成長の阻害要因になっている」と政府も重く捉えており、 そこに対処すべく推進するのが出入国管理法改正案いわゆる「入管法改正案」です。端的に言えば「外国人労働者の受け入れを拡大し、国内の人材不足を解消しよう」という趣旨のもの。

政府では2018年11月2日に改正案を閣議決定し、13日より衆院本会議で審議入り、12月8日の参院本会議で採決され、賛成多数で可決されました。施行は来年の4月1日となります。今回の法改正では「企業が外国人労働者を雇いやすくする」といった狙いがあると考えられます。現状では手続きが困難であったり日本語能力や受け入れ体制の問題など、 多くの問題があり、なかなか雇用しにくいというのです。

しかしながら、まだまだ議論の余地は多く残されています。「外国人労働者をどの程度受け入れるのか、その人数・業種」「移民政策との違い」「今後人手不足が解消された場合、受け入れた外国人労働者をどうするのか」「日本人雇用への影響」「外国人労働者の医療費などの社会保障制度」「失踪問題」「地域の受け入れ体制の整備」など様々な問題や課題が山積していることも事実です。

今回はなぜ入管法の改正が必要なのか、これからどういった対応が企業に求められるのか、考えてみたいと思います。

入管法改正案とは

「入管法」の正式名称は「出入国管理及び難民認定法」です。 日本人を含めた全ての人の日本への出入国についてと、日本に在留する外国人の在留資格について、 不法入国など難民について書いてある部分があり、略して「入管法」と呼ばれます。
元は1951年にいわゆるポツダム命令の一つとして制定された政令のひとつでしたが、翌年の1952年「ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く外務省関係諸命令の措置に関する法律」 の規定によりそれ以降は法律としての効力を持つようになりました。
これまでも過去数回にわたり社会情勢に応じる形で改正が行われています。
では次に、今回入管法改正案が閣議決定された背景を読み解いていきましょう。

少子高齢化や生産年齢人口の減少が進み、労働者不足が深刻化

例えば産業界では、人手不足により人件費や物流費が高騰し大きな経営課題となっています。
「人が集まらない」という理由で倒産する企業も年々増加、特に若い世代が進学や就職を理由に地方から離れてしまうため地方の中小小規模事業者の人手不足は深刻です。政府の試算では、2019年度で約60万人以上、 19年度から5年間で約130万~約135万人の労働者が不足すると発表されました。

日本の生産年齢人口は人口の5倍ほども速いスピードで減退していると言われ、それが示唆する未来図とは 「所得も税収も減り、日本のGDPもどんどん転落、あらゆる物の維持が困難になる」 という悲観的で悲惨なものなのです。この生産年齢人口が今後も長期的に減少していくという日本の状況は、もはや単なる人手不足という言葉では捉えきれない、との声もあるほどで、問題の深刻さを踏まえれば外国人労働者の受け入れ拡大は適切と言えるでしょう。

生産年齢人口を増やすためには、少子化対策による出生率向上や女性や高齢者の社会進出ももちろん有効な策です。しかし、いずれも効果が表れるには時間がかかり即効性は期待できません。

現状の社会構造で慢性化した人手不足では、未来がどうこう以前に私たちの目先の生活すら危うく、この状況を危惧した政府は日本経済の成長に悪影響を与えるという判断から、即戦力となる入管法改正に踏み切ったと言われています。入管法を改正することで、日本で働ける外国人の枠が広がり、海外人財を活用しやすくなるのです。

外国人依存度が高い仕事とは

日本ではすでに、先進国の技術を新興国に伝える国際貢献として始まった技能実習生制度や留学中のアルバイトで働く外国人が企業の経済活動を支える重要な戦力となっています。製造業や流通業などの現場からは外国人なしでは経営が成り立たないとも言われるほど。

厚生労働省によると、平成29年10月末時点の外国人労働者数は約128万人、外国人を雇用する事業所は約20万事業所と、いずれも過去最高を記録しています。今や日本国内の全就業者の2%、50人に1人は外国人ということになります。ここ5年間では約60万人も増えており、更に今回の法改正ということになりますので、もはや私たちの産業延いては生活は外国人労働者なしでは立ちいかないのです。

また今回、在留資格や技能実習制度に介護職が追加されるといった動きを踏まえると、今後は介護や医療分野における外国人依存度が高まることも推測されます。では外国人依存度が高い仕事には、どのような特徴があるのでしょうか。厚生労働省のデータによると、労働者が定着しにくい(入職率・離職率が高い)人手が不足している(欠員率が高い)賃金が相対的に低い、労災率が高いといった、一言で言うと日本人に不人気の仕事と言えます。つまりは私たちが外国人労働者に「依存」をしていると同時に、 その裏には外国人労働者による日本社会への「貢献」があるというわけです。

期待と不安、法改正により懸念されること

入管法改正案の詳細については、まだ審議入りしたばかりで 細かいことははっきりとわかっていません。

しかし深刻な労働力不足が叫ばれる産業界からはすでに歓迎する声が上がっている一方、労働組合などからは「大量の外国人が流入すれば将来的に日本人の雇用や地域社会にも影響を与えかねない」 といった懸念の声も聞かれます。 これについては政府も外国人労働者が増えすぎることに配慮しており、新たな在留資格について「必要とされる人材が確保されたと認められる場合には新たな受け入れは行わない」と説明。 既に在留が認められている外国人についても、「雇用契約が更新されない限りは在留期間の更新は許可されない」としています。

 

視標となる受け入れ見込み数は5年で計26~34万人

法務省は先月14日、人手不足が深刻化している14業種別の分野に限定するとし、受け入れ規模を国会に提示。新制度を導入する2019年4月から5年間の最大見込み数は介護が最も多く6万人。外食5万3千人、建設4万人などを想定しこれらを「上限」として運用する方針を示しています。

また、企業に対して日本人と同等以上の報酬水準を求める一方、受け入れ分野で人手不足が解消した場合は新規入国を一時的に停止するとしています。与党内には「移民政策につながる」という意見や受け入れ態勢が整っていないことへの懸念があるため、法律の施行から3年後に制度の見直しを行う規定を盛り込むほか、法務省の入国管理局を「出入国在留管理庁」に格上げし制度の悪用防止などに対応するとしています。

新たな在留資格

現在、日本では移民政策を行っていないため、外国人による単純労働は原則禁止されています。しかし今回の改正案では現行の制度で日本で働くことができる条件に加え、先述の人手不足が深刻化している14業種の分野での単純労働を含めた就労を認める「特定技能1号」と、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業の5つの業種で一定の試験に合格すること等で特定技能1号から「特定技能2号」へ移行できるという新たな在留資格創設が盛り込まれています。

【特定技能1号】 不足する人材の確保を図るべき産業分野に属する、相当程度の知識または経験が必要な技能を要する業務に 従事する外国人向け。在留期限は最長5年。家族の帯同は不可。

【特定技能2号】 2号は、同じ分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けであり、 1号の在留資格を持つ人が所管庁の定める試験に合格することで移行することができる。 在留期間の上限は設定されておらず、条件を満たせば永住申請をすることが可能か。

※1号の在留資格では家族の帯同は認められないが、2号に該当して初めて配偶者や子に対して在留資格を付与される。
どちらも「生活に支障のない会話」ができることが必須条件となるものの、それがどのレベルに相当するのかだったり「相当程度の知識や技能」や「熟練した技能」がどの程度までものを求められるのかといった詳細はまだまだ詰め切れていないのが現状です。また、この特定技能1号・2号が移民に当るのかどうかについても議論が分かれています。帯同する家族に対する社会保障がどういった扱いになるかも不明です。そのため入管法の関連法として、健保法改正案も今後提出される見込みとなっています。

 

参考:現行の制度で日本で働ける条件

技能実習生

工場などで働きながら最大5年間、滞在が可能。 その後母国に帰り、先進国である日本で身に付けた技術を役立てていく。しかし、メディアでも度々取り上げられているように、 受け入れ企業による「実習という名目での安価な労働力供給」という側面は否定できず、受け入れ先の過酷な待遇に耐えかねて逃げ出す人は後を絶たない。その結果、不法就労や不法滞在として入国管理局に収容され、 退去強制を余儀なくされるという、心が痛むような実情がある。

留学生

留学生は(大学院の博士課程から日本語学校の学生まで、その中身は多様)週28時間までアルバイトとして労働が可能。大学・大学院に通う留学生のアルバイト従事率は低下傾向にある一方で、専修学校や日本語学校に通う留学生のアルバイト従事率は増加傾向にある。

医師や大学教授などの高度な人材

医師や教授、外交官など高度な専門知識を要する職業が対象となる。現行の入管法では、長期で働けるのは原則「医師や教授などの高度な人材のみ」となっている。

受入れ後の支援は受入れ機関や雇用主任せ感が否めない

外国人労働者の大量受入れはもはや避けられないとして、 彼らを受け入れた後の種々の支援はどこが責任を持つのでしょうか?入国管理局の資料では「受け入れ機関は外国人に対する日常生活、職業生活、社会生活上の支援をおこなう」と記載されており、「受入れ機関」または「受入れ機関から委託を受けた登録支援機関」が責任を持つことが想定されています。この受入れ機関とは企業のことであり、雇用主です。

しかしながら、根本的に慈善団体ではない利益追求型の企業が、従業員となる外国人に対し日常生活や社会生活上のサポート面にコストをかけて支援を施すということは理想ではあっても、なかなか難しいのが現実なのではないでしょうか?

組合の強みと今後のビジョン

弊組合では、外国人技能実習生と受け入れ企業がともに安心して快適に技能実習に励むことが出来るよう、

万全のサポート体制の完備に長年取り組んでまいりました。膨大な過去のサポート経験をビッグデータ化しAIの基礎データにすることで、受け入れ企業の精査と働く外国人のマッチング制度を最大化。不当な扱いをするする企業を減らし、より適正に合った、しっかりと働ける職場とのマッチングを実現します。

 

組合を通じて技能実習生を受入れる企業様のメリットは、海外拠点を持たない中小企業様でも受入れが可能となる点、希望者の募集から入国に係る様々な事務手続き、複雑な入国の為の書類作成や管理、 各種研修といった全てにおいて組合のサポートが受けられる点です。 そのため企業様のご負担を軽減し、技能実習そのものに集中していただけますし、企業様がコストを掛けにくいサポート面の部分を弊組合で強力にバックアップいたします。

また、送出し機関は弊組合と業務提携しておりますので 密に連携を取り合うことが可能です。

事前に企業様のご要望や求める人財像などを事細かくヒアリングし、 企業様のご要望に沿った希望者の募集をさせていただきます。

日本での生活を充実させる手厚いサポート

「外国人生活向上クラブ」とは?

外国人労働者が日本に来てすぐに必要になる携帯電話、 24時間母国語で対応する生活相談電話サポート、 そして丸井グループのエポスカードと提携した、入会金・年会費永年無料の外国人専用クレジットカードサービス と、外国人生活向上クラブはこれまでになかった外国人労働者の「あったらいいな、あってよかった」を叶えるサービスです。

弊組合では彼らに、日本に来てよかった!と感じてもらえるようなサービスを提供いたします。


外国人生活向上クラブhttps://www.jic.jp/12whats/

 

まとめ

入管法改正案については、いまだ議論の余地が多く、 ただ、これからの日本社会において極めて重要な転換点になることは間違いないものです。 しかしどんな状況になろうとも労働者は日本人も外国人も「人」であるということ。 働く人が幸せであってはじめて、企業も成長を続けられ、日本も出身国もそして世界全体が幸せになる。そんなシンプルで当たり前の視点こそが、今とても大切であると考えます。

弊組合は最新のAI技術と、長年のコンサルタント経験から その重要な架け橋の役割を果たしていきます。

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